令和5年9月29日(金)「ゆざわジオパークの関連施設・現地の見学」を開催いたしました。今回の見学地は、秋田県南東部の湯沢市です。湯沢市は市全体をゆざわジオパークのエリアとし、小安峡や川原毛地獄など火山活動に関するジオサイトや、院内石採石場跡や院内銀山異人館などの施設がジオサイトとして展開されています。
今回は、院内石砕石場、院内銀山異人館、小安峡大噴湯、皆瀬地熱利用農産加工所、川原毛地獄などを見学しました。
院内石採石場では、大迫力の砕石跡のがけ地にノミや丸鋸の跡が見え、当時の作業の様子を伺い知ることができました。見学中にはハヤブサの姿も見られ、切跡の崖を一層引き立てていました。
院内は、古くから銀山として栄えた地域であり、最盛期には秋田市以上の人口があったとのことです。院内銀山は見学できませんでしたが、院内駅に併設された院内銀山異人館を見学し、当時の繁栄の様子や、銀山でのくらしを垣間見ることができました。
湯沢市は、稲庭うどんでも有名なところで、昼食は本場の稲庭うどんを堪能しました。
昼食後は、皆瀬川の河岸段丘地形を見ながら小安峡へと移動し、鮮新世の堆積岩から噴湯する様子を見学しました。上流側の不動滝まで足を延ばし、峡谷形状と地層の変化なども見学することができました。湯沢市では、豊富な地熱資源を利用した産業も盛んで、温泉水を利用した乾燥野菜加工工場を見学しました。見学時にはミニトマトなどの乾燥作業を行っているところで、乾燥の様子などを見ることができました。加工場は非常に熱く、今年の夏は特に大変だったとのことです。最後の見学地である川原毛地獄は、硫化水素臭が立ち込めるまさに地獄という雰囲気でした。全体に白色の変質を受けた凝灰岩が分布する特徴的な景色でした。
今回の見学会では地熱発電所は直接見学することはできませんでしたが、山葵沢発電所の配管などを概観しながら帰路につきました。
地熱に関しては、随所で黒墨前部会長の説明があり、参加者も満足した様子でした。
今回の見学会は、湯沢市ジオパーク推進協議会の伊藤健太郎氏と、ゆざわジオパークガイドの沓澤均氏の案内をしていただきました。ジオサイトの説明はもとより、地元ならではのお話も数多くしていただき、有意義でかつ楽しく参加することができました。湯沢はお酒もおいしいとのことで、次回は温泉に泊まってさらにゆざわジオパークを満喫できればと思います。
見学会には総勢7名参加していただきました。