見学会」カテゴリーアーカイブ

9月27日 令和6年度現地見学会を開催いたしました。

 令和6年9月27日(金)「南三陸311メモリアル、植物飼料による水産物の陸上養殖施設の見学」を開催いたしました。今回の見学地は、宮城県沿岸部の南三陸町です。南三陸町は2011年3月11日の東日本大震災による甚大な津波被害を受けて、市街地移転や嵩上げ盛土による復興がなされています。また、三陸海岸の海を資源とした活動も盛んな地域です。今回は、復興関連施設として311メモリアル、陸上養殖施設として株式会社ケーエスフーズ養殖場、自然環境施設として南三陸町自然環境活用センター(ネイチャーセンター)を見学しました。

 南三陸311メモリアルでは、町内被災者の体験をもとにしたラーニングプログラムに参加いたしました。津波に流されながらも九死に一生を得た消防士の方の体験や、指定避難所にも津波が押し寄せ、目の前の命を必死に救う行動をとった当時の中学生などの体験を聞き、改めて当時の様子や、自然災害の恐ろしさ、そして防災、減災の大切さを学ぶことができました。

 午後は、株式会社ケーエスフーズ様の陸上養殖施設を見学いたしました。海藻の保全を目的とした駆除ウニを陸上で養殖することで、磯焼けの解消と駆除ウニを商品にすることが可能になります。最近は駆除ウニ自体が少なく、最近は幼体から養殖しているとのことで、顕微鏡下で実際のウニの幼体を観察させていただきました。また、陸上養殖施設では銀サケや地鶏を育てており、最近はウニよりもこちらが主となっているとのことです。

 南三陸町自然環境活用センター(ネイチャーセンター)は、震災前から地域の自然の調査研究、教育活動を行う施設として活動していた施設ですが、東日本大震災により流失し、現在は旧戸倉中学校である戸倉公民館2階で活動をされています。施設には様々な鳥類、魚類、海藻類をはじめとした標本が展示され、目の前にはラムサール条約登録湿地である志津川湾が広がります。

今回の見学会は、宮城大学の片山先生に全体のご案内をしていただき、株式会社ケーエスフーズ西條会長はじめとした株式会社ケーエスフーズの皆様には、養殖施設の概要やウニ、サケおよび地鶏などのお話を、南三陸町自然環境活用センター及川主任からはンターの概要と活動などのお話をいただきました。

見学会には総勢10名参加していただきました。

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令和5年9月29日 令和5年度現地見学会を開催いたしました。

令和5年9月29日(金)「ゆざわジオパークの関連施設・現地の見学」を開催いたしました。今回の見学地は、秋田県南東部の湯沢市です。湯沢市は市全体をゆざわジオパークのエリアとし、小安峡や川原毛地獄など火山活動に関するジオサイトや、院内石採石場跡や院内銀山異人館などの施設がジオサイトとして展開されています。

今回は、院内石砕石場、院内銀山異人館、小安峡大噴湯、皆瀬地熱利用農産加工所、川原毛地獄などを見学しました。

院内石採石場では、大迫力の砕石跡のがけ地にノミや丸鋸の跡が見え、当時の作業の様子を伺い知ることができました。見学中にはハヤブサの姿も見られ、切跡の崖を一層引き立てていました。

院内は、古くから銀山として栄えた地域であり、最盛期には秋田市以上の人口があったとのことです。院内銀山は見学できませんでしたが、院内駅に併設された院内銀山異人館を見学し、当時の繁栄の様子や、銀山でのくらしを垣間見ることができました。

湯沢市は、稲庭うどんでも有名なところで、昼食は本場の稲庭うどんを堪能しました。

昼食後は、皆瀬川の河岸段丘地形を見ながら小安峡へと移動し、鮮新世の堆積岩から噴湯する様子を見学しました。上流側の不動滝まで足を延ばし、峡谷形状と地層の変化なども見学することができました。湯沢市では、豊富な地熱資源を利用した産業も盛んで、温泉水を利用した乾燥野菜加工工場を見学しました。見学時にはミニトマトなどの乾燥作業を行っているところで、乾燥の様子などを見ることができました。加工場は非常に熱く、今年の夏は特に大変だったとのことです。最後の見学地である川原毛地獄は、硫化水素臭が立ち込めるまさに地獄という雰囲気でした。全体に白色の変質を受けた凝灰岩が分布する特徴的な景色でした。

今回の見学会では地熱発電所は直接見学することはできませんでしたが、山葵沢発電所の配管などを概観しながら帰路につきました。

地熱に関しては、随所で黒墨前部会長の説明があり、参加者も満足した様子でした。

今回の見学会は、湯沢市ジオパーク推進協議会の伊藤健太郎氏と、ゆざわジオパークガイドの沓澤均氏の案内をしていただきました。ジオサイトの説明はもとより、地元ならではのお話も数多くしていただき、有意義でかつ楽しく参加することができました。湯沢はお酒もおいしいとのことで、次回は温泉に泊まってさらにゆざわジオパークを満喫できればと思います。

見学会には総勢7名参加していただきました。

令和4年9/29~9/30 令和4年度現地見学会を開催いたしました。

令和4年9月29日(木)および30日(金)に「福島県井戸沢断層・湯ノ岳断層およびいわき市周辺の災害現場の巡検」を開催いたしました。両日とも好天のなか、無事開催することができました。1日目は、昼にスパリゾートハワイアンズ玄関脇に集合し、最初に国道289号田人地区の複数の斜面崩壊・土石流が発生した箇所で、排水設備やのり面保護工を視察しました。その後は車で北上しながら、3箇所ほど井戸沢断層跡や断層崖を視察しました。地表地震断層が出現してから、10年以上経過しているものの、現地の人たちの献身的な残存活動によって今でも生々しく感じられます。珍しい西落ちの正断層とのことで、2m程の断層崖や堰止め池が残っています。夕方には、宿(スパリゾートハワイアンズ)に入り、夕食後のショ-見学に向かうとそのド-ム会場には、湯ノ岳断層で上下にずれた柱と桁をそのまま修復して利用している状況が確認出来ました。また、震災前にはなかった支柱が3本施工されたのだそうです。2日目は、朝からスパリゾートハワイアンズ敷地内の湯ノ岳断層跡を視察した後、上釜戸地区に移動して地すべり対策工(アンカ-工575本)を視察しました。次に遠野町入遠野に移動し、宮沢川内を足場が悪いなか苦労して歩き、御斎所変成岩類と新第三紀層が接する湯ノ岳断層露頭を観察しました。最後は、住宅地である泉もえぎ台の谷埋め盛土の崩壊箇所で、大型ふとんカゴ工+排水ボ-リング工、のり枠工(+鉄筋挿入工、排水ボ-リング工)のほか集水井工を視察しました。この時点でまだ時間があったため、急遽常磐湯本温泉株式会社の源泉揚湯設備を見学および温泉の試飲をさせて頂きました。源泉は、揚湯場の地下620mにある地下空洞(炭鉱跡)から180mボ-リングして58℃のお湯を汲み上げているそうで、この場所から各旅館・ホテルに給湯しているそうです。この後、スパリゾートハワイアンズに戻り、昼食後の質疑応答で今回の見学会が終了となりました。今回は、齋藤勝氏(那須野が原経済地質研究所)と新田邦弘氏(株式会社 地質基礎)には、2日間に亘って案内および説明をしていただき、参加者一同とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。見学会には、総勢8名(現地案内者含む)にご参加いただきました。

9月27日 令和元年度現地見学会を開催いたしました。


令和元年年9月27日(金)「岩手県川船断層および秋田県仙北地方の千屋断層の巡検」を開催いたしました。1896年(明治29年)の陸羽地震(M7.2)によって出現した川船断層および千屋断層をテーマに、8月の技術サロンでもご講演をいただいた斎藤勝氏(株式会社ダイヤコンサルタント東北支社長)に現地案内をしていただきました。また、今回は岩手県支部との合同で開催し、東北本部12名、岩手県支部9名総勢21名の参加となりました。
朝8:00泉中央駅前に集合、岩手県湯田インターチェンジで岩手県支部の参加者と合流後に川船断層に関する断層崖を観察いたしました。
最初の見学地である川船断層地震断層跡は、地形の段差や道路の起伏として出現しており、断層であることを示す標柱などもありました。次の見学地では、高下橋から高下川に見られる断層を観察した後に林道を入り、各段丘面上に断層崖が発達している様子を観察しました。今回の巡検では、最も起伏があり移動距離も長いルートとなりましたが、黒墨部会長の喝(?)もあり、参加者は地質屋の基本を忘れずに往路のみならず、復路も観察を怠らずにに歩くことができたようです。
昼食は、湯田駅に近接する湯夢プラザでタックエンジニアリング様が用意して頂いた赤青立体地図を見ながら頂きました。湯田駅は、温泉が併設されていることで有名ですが、今回は残念ながら利用する時間はなく、次回に期待することとしました。
昼食後は、秋田県に入り千屋断層断層崖を観察しました。千屋断層は、扇状地面上に出現しており、断層の連続性を観察できすることができました。坂本東嶽邸内に本年6月1日にオープンした千屋断層学習館は、震災後の東嶽邸の写真や、断層剥ぎ取り資料、地形模型(トレンチ時の状況)などが展示されており、陸羽地震後の様子を知る貴重な資料を見ることができました。千屋断層トレンチは国の天然記念物に指定されていますが、残念ながら現在はシートがかけられ全貌を見ることはできませんでしたが、断層崖は連続して観察することができ、また近傍には看板や標柱があり、トレンチ実施時の状況を知ることができました。
千屋断層では、その他赤倉川北岸の断層露頭や地震断層に子供が巻き込まれ亡くなった花岡山断層崖などを観察しました。岩手県支部の参加者はここで解散となり、東北本部参加者はその後泉中央駅で解散、帰路につきました。
地震断層は、崖となって出現しているだけではなく、起伏としてその形跡を留めるものなど様々であり、比較的新しい地震断層である川船、千屋断層でも、斎藤氏の案内で初めて断層と気づかされる箇所もありました。地震断層の判別は、空中写真による地形判読や現地踏査等により判断され、特に重要な箇所ではトレンチなどの現地調査が行われますが、地形、地質を見る目を養い、経験を重ねることが大切だと改めて感じました。

高下橋から観察される川船断層について議論中。
斎藤氏より川船断層断層崖について説明を受ける。
断層崖を観察しながら、起伏のある山中を移動。
赤沢の断層露頭前で記念写真
千屋断層学習館 
千屋断層トレンチ跡

最近の見学会

令和6年度 2024/9/27

テーマ:南三陸311メモリアル、植物飼料による水産物の陸上養殖施設の見学

場 所:宮城県本吉郡南三陸町

案内者:片山 亜優(宮城大学 食産業学群 准教授)

 

令和5年度 2023/9/29

テ-マ:ゆざわジオパークの関連施設・現地の見学

場 所:湯沢市

案内者:伊藤健太郎氏(湯沢市ジオパーク推進協議会)

   :沓澤 均氏(ゆざわジオパークガイド) 

 

令和4年度(2022/9/29~2022/9/30)

テ-マ:福島県井戸沢断層・湯ノ岳断層およびいわき市周辺の災害現場の巡検

場 所:福島県いわき市

案内者:齋藤 勝氏(那須野が原経済地質研究所)

   :新田 邦弘氏(株式会社 地質基礎)

 

令和元年度
2019/9/27  

テ-マ:岩手県川舟断層および秋田県仙北地方の千屋断層などの巡検

場 所:岩手県和賀郡西和賀町および秋田県仙北郡美郷町

案内者:齋藤 勝氏((株)ダイヤコンサルタント)